転職する際に職種を変えてもよいか?

posted in: 転職 | 0

転職する際に職種を変えてもよいか?

よく私にはこういった相談が入ります。今までエンジニアをやっていたのだが、営業をやってみたい。事務経理をやっていたのだが、WEBクリエイターに転職したい。

 

私はこの手の質問には、常に「YES」と回答しています。理由は我々には職業選択の自由があり、かつ個人には必ず「適正」があるからです。どんなに優秀な人でも、「苦手」な分野はあるし、学生時代から負け癖がついてしまっている人でも、必ず他人よりも秀でることのできる職種があるからです。

 

しかし、その「適正」を見出すのは非常に難しいです。そもそも何をもってこの職業は私の「天職」だ!と判断できるのかも謎です。

 

なので、私はいつも、もしもあなたが転職して職種を変えて、働いている自分が「幸せそう」だったらその職種に転職してみれば。とアドバイスします。もしも、働いているあなたがあまり想像できないようであれば、ネットで調べてみたり、同業が開催しているフォーラム等に参加してみればよいのです。

 

問題なのは、「幸せ」そうな自分が想像できているのに、「辛い」状況で我慢してしまっていること。これは、心身共にいずれ消耗してしまいます。これはあなたのキャリアだけでなく、人生にダメージを与える可能性が非常に高いです。

 

良い例をひとつ。

彼はオラクルデータベースエンジニアでした。いわゆるDBAで、大規模な金融システムのDBの運用管理・メンテナンスの責任者です。彼は文型でWindows SEとして就職し、自費でコツコツとデータベースを勉強し、5年後に晴れて最上位の資格をとるにいたり、実地の運用管理でも素晴らしい評価を得ていました。そして2年後には運用管理部門の課長となるのですが、そこで体を壊して半年にわたって入退院を繰り返します。はじめは胃潰瘍だったのですが、胃潰瘍がある程度治った後も、会社に出社する段になると、通勤途中の電車の中でめまいを起こして倒れたり、吐き気を催してなかなか正常に出社できない状態が続いていました。ここで、これは英断だったのですが、当時の彼の部長が彼をDBAから、営業職に異動を命じます。当初彼自身は、この異動に「これまで私が積み上げてきたキャリアを潰す気か!」と反対したのですが、「1年後に必ず戻してやるから、まずは営業をやれ」と無理やり営業に異動させます。そう、お察しのとおり、彼は今では営業部長としてバリバリ仕事に励んでいます。彼はDBAとして技術的にも、論理的な思考にも長けていたのですが、「プレッシャー」に極端に弱かったのです。いや、DBAの職業を知っている方ならわかると思いますが、DBAに必要なプレッシャー耐性が無かったのです。ただ彼にはこれまで自分に投資してきたお金や時間が膨大であることを知っているので、それに固執し、自分にはこれしかない!そのために頑張ってきたんじゃないか!と、プレッシャーに押しつぶされそうになる自分を奮い立たせ、段々と心身ともに病んでいったのです。

 

この例でもわかるように、あなた自身の「適正」はどこにあるのか、誰にもわかりません。5年、10年と培った実績、10万、100万と自腹を切って、取得した資格もそれに固執してしまうようであれば、あなたにとって不幸です。実績や資格はあなたの血肉となってキャリアに彩りを添えますので、是非それに固執することなく、自分の「幸せ」なイメージに正直になって向き合い、異なった職種に転職する決意をすることも重要です。

 

余談ですが、こんなにも強プレッシャーがかかるDBAですが、耐性がある人は、どんなにタイトなメンテナンスでも、変更作業でも笑いながら対応する猛者が何人もいます。そういうかたはまさに「適正」があるのでしょうね。。私には到底無理ですが。。