キャリアプランをブラッシュアップ(磨く)する

あなたがあなたの上司などに前ページで作成したキャリアプランを話した際に、たまに、「具体性が無い」などと言ってくる人がいます。キャリアプランは決してコミットメントでは無いですし、個人のプランなので、そういう人は放っておきたいところですが、そうもいかないこともあるかと思います。具体的にどこを詰めていけばよいのでしょうか?

 

結論としては、これ、「Step1: 業務や空いた時間を活用し、特定の技術力を高めて、専門性の高いレイヤーに移動する」部分です。

 

1.「専門性の高いレイヤーに移動」:具体的にどの部門・役割に移動したいのか?

2.「特定の技術力を高めて」:具体的になんの技術力を高める必要があるのか?

3.それらはいつまでに完了させるのか。

上から順番に考えていきましょう。

 

 具体的にどの部門・役割に移動したいのか?

今のあなたは、「IT系のサポートセンターのコールセンターのメンバー」ですので、より専門性の高い職種に移動する必要があります。ここでは、以下の選択しが浮上します。

 

・Windows OSに特化した解析などを専門とした上位エンジニア

・Linux OSに特化した解析などを専門とした上位エンジニア

・NetworkやServer、Storageに特化した解析などを専門とした上位エンジニア

いくつかの選択肢が浮上しましたが、ここではあなたが次のキャリアとしてステップアップできそうな職種のトップ3を選ぶようにしてください。

次に進みましょう。

 

 具体的になんの技術力を高める必要があるのか?

あなたは、次のキャリアのトップ3を思い浮かべました。ここでは、その次の職種にステップアップした際に必要となってくるスキルと取得が必要になる資格を考えて下さい。

Windows OSに特化した解析などを専門とした上位エンジニア にステップアップするために必要となるスキルと資格

・MCP資格

・MCSE資格

・OS Dump解析能力

・IISサービスや、ADサービス等の標準サーバサービスの構築能力

・IISサービスや、ADサービス等の標準サーバサービスのトラブルシュート能力

もっとあると思いますが、まずは書き出してみました。これを例のごとく3つに絞りこみます。ここで非常に重要なのは、上で決めたステップアップしたい職種になるために、最も有効と思われる3つに絞りこむことです。

一旦ここで整理してみましょう。

ロジカルシンキングの重要な考え方のひとつでもある、論理ピラミッド構造に当てはめてみました。

まず、最上段には、「目的」を記載します。目的は「専門性の高い職種にキャリアアップしたい」ですよね。

次に中段には、目的を達成するために必要な構成要素を記載します。注意して欲しいのは、僕は「Windowsの上位エンジニアになりたい」のだから、LinuxとNetworkは考えなくていいや。と、他の選択肢を排除してしまうことです。排除してしまっては、目的達成のための戦略がWindowsエンジニアのひとつになってしまい、アナタのキャリアプランの戦略が薄いものになってしまいます。

最後に3段目、これは各「戦略」を達成するために必要な「アクション」です。この「アクション」をクリアしたら、上位の「戦略」が有効となり、その「戦略」を使って、目的を達成する。という形です。

 いつまでに完了させるのか?

具体性に関する最後の項目です。これは、上述の論理ピラミッドが描けてさえいれば、後はその進捗と達成できる目処を答えれば良いだけです。

全てを踏まえた具体性のあるキャリアプランのサンプルは以下のようになります。

私は現在、IT系コールセンターにてWindowsとLinux OS、ネットワークに関連するトラブルシュート業務を実施しておりますが、3年の業務経験で、Windows OSに関するDump解析の手法を学び、また検証環境を構築する必要性があったため、WindowsOSのIISやAD等の標準サービスの構築も一通りこなせるようになりました、このため、WindowsOSの障害解析が得意な分野となりました。今後はその得意分野を生かすべく、Windows OSに関する難解な問題に注力して取り組めるような業務(専門性が高い)に進めて行けたら、と考えております。ただし、次のキャリアに進むためには、上述した実地のスキルの他にもMCSE資格を取得し、基礎的なスキルアップも図る必要性があると感じています。これは、今年中には資格試験を受講するつもりで勉強を進めています。またWindows OSの他にも、Linux OSとネットワークトラブルシュート業務も実施しておりますが、こちらのキャリアパスには、環境構築や複雑なログ解析などの実地スキルは後1,2年程の経験と実績を積む必要があると感じており、また資格試験勉強等も手付かずな状況です。しかしながら、もし仮に会社としてネットワークやLinux上位エンジニアにキャリアパスが空いているようでしたら、そちらにより注力し、会社やチームに貢献したいと考えております。

いかがでしょうか?かなり具体的なキャリアプランになってきたと思いませんか?

「戦略」を有効にするための「アクション」は、実は多ければ多いほど、その「戦略」の有効性は高まります。ただし、人間が注力して実行できるアクションは3つ位が限度でもあります。もっとも戦略を有効にするために「効果的」で、かつ「始めやすい、または始めている」ものをアクションにするように心がけてください。また、転職を念頭に置いた場合は、希望の職種の「スキル要件」をまず確認して、それをアクションに置くことも有効だと思います。

 最後に

最後まで本サイトのメインコンテンツでもある、「キャリアプラン」を作ろう!を閲覧頂きありがとう御座いました。ビジネス社会は日々変化をしています。一昔前までは、自己主張などしなくても、年功序列で自動的にキャリアプランは会社が用意してくれていました。

今は残念ながら、そうはいきません。自分でキャリアプランを用意する必要があります。

でも、このサイトを読んだ人ならわかりますよね。ぜんぜん難しいことではないのです。なぜならキャリアプランのあらすじとなる本ルートは「上昇志向」の唯一つ。あとはそこに自分のこれまで積み上げてきたスキルや経験をデコレーションして物語に厚みを持たせてあげれば良いだけなのですから。

最後に私が実際に転職の際に使用した履歴書と職務経歴書、英語版履歴書のテンプレート(ひな形)を紹介します。皆様の転職やキャリアがよりよいものになるように、心から祈っております。

※テンプレート内に記載されている内容は字数合わせの為のサンプルですので、消して使ってくださいね。


日本語-履歴書


日本語-職務経歴書


英語-CV


関連記事:

(1)転職に失敗しないために自分のキャリアプランを持つ!
(2)キャリアプランの作り方
(3)キャリアプランを完成させる
(4)キャリアプランの磨き方(履歴書サンプル)

その転職ちょっと待った!現職でロジカルシンキングスキルを伸ばそう