前ページで、基本的な報告書の作成方法として、「読み手」のレベルや立場に合わせた、目線を合わせた報告書を作ることの重要性を説明しました。また、読み手を納得させるための報告書において「抑えるべきポイント」も紹介いたしました。本ページでは「読み手の期待値」についてご説明します。

 

 おさらい
  1. 文章報告の目的
  2. Who is audience?(誰が読み手か?)
  3. 良い報告書とは
  4. 読み手の期待

 

読み手の期待値を知る

「読み手の期待値」とは、報告書を受け取る人間が、書き手のあなたに期待している内容を指します。報告書を受け取ったときに、この期待値を上回っていれば顧客は納得してくれますし、下回っていれば当然、満足は低下します。読み手の期待値を知ることは報告書作成にとって非常に重要なポイントです。読み手の期待値は以下のポイントを意識して理解するようにします。

 

  • Customer Expectation (顧客期待値)
  • Customer Focus マインド

 

 Customer Expectation (顧客期待値)

お客様が報告書に何を期待しているかを確実に把握して、それを上回る働き、動きができているか常に自身に問いかけて対応する必要があります。顧客の期待に応えるだけでは、「不満を生まない」ことはできても、顧客満足を創出することはできません。

もしお客様の期待するポイントが分からない場合は、直接尋ねて構いません。自分が報告書を受け取った際に、何を言いたいのかよく分からない報告書を読んで頭をひねり、何度も読み返してやっと意味は理解はしたが、「こっちが聞きたい、求めているポイントはそこじゃない」、と頭を抱えた事はありませんか?

顧客が報告書に期待するものが何であるか把握し、その期待以上の品質の報告書を作成するよう心がけて下さい。これが報告書の品質を左右する重要なポイントです。

 

 

 Customer Focusマインド

Customer Focus とは現在及び将来の顧客ニーズを理解し、顧客要求事項を満たし、顧客の期待を越えるように努力し、顧客満足を向上させることを目的とするマインド(心の持ち方・姿勢)のことです。

ですが、これは顧客の言いなりになることではありません。真のCustomer Focusマインドとは、困っている顧客の「真の問題」を理解し、その問題に対して、真摯に取り組むことです。矢継ぎ早にくる顧客のわがままで短絡的な依頼をこなしても、真の問題の解決にならないことの方が多いです。それより、報告書内で真の問題を提起し、それに対する解決方法を提示することで、顧客の期待値を上回ることが出来ます。

 


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(3)良い報告書とは
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